手島事件

提供:Tanukipedia

2019年5月23日の利用者権限消失事件(2019ねん5がつ23にちのりようしゃけんげんしょうしつじけん)、通称手島事件(てじまじけん)は、2019年5月23日に当サイト、Tanukipediaで発生した事件の名称。大局的には、Miraheze全体で発生した権限消失事件の一部である。

事件の全体像

第一段階

2019年5月23日午前3時54分(日本時間、以下特に記載がない限り同じ)、Mirahezeのシステム管理者の一人であるMacFan4000がmw_permissionsに含まれるすべての権限を置き換えてしまったことで、Tanukipediaで導入している独自の利用者権限である「架空世界創作者権限」が忽然と消失した。

Miraheze全体では、一時間半後の午前5時24分にpo209が問題を発見し、その時点で一切の権限が失われ、何も活動できなくなったことが報告された[1]。その4分後に、システム管理者の一人であり、スチュワードでもあるJohnが、同じ問題がMiraheze全体に波及していることを確認。更に2分後の午前5時30分より、Paladoxが、仮復旧として権限群の初期化に取り組み始めた。

この間、meta(午前7時30分、Bonnedavによる)やウソペディア(午前9時8分、シュヴァルツによる)からも同じ問題がそれぞれ報告されている[2]

権限の初期化は、Johnがタスクを閉じた午前9時0分には完成したと思われる。

第二段階

一方、今度は9時35分にウソペディア発のPhab報告をT4403で解決済みとしてを閉じ、そのローカルビューロクラットとして手動で復旧作業に当たっていた開拓者が、拡張機能由来の権限や権限グループなどが全て初期化されていることに気付いて、午前9時49分にこれをT4405として報告し、システムレベルでの復旧ができないかと問い合わせを行う[3]

前後して、Reception123が置換前の古いmw_permissionsテーブルを保持していたことが、午前7時9分に判明。裏方では、午前7時57分より、PaladoxがpopulateGroupPermissionsWithDefaults.phpスクリプトを実行し始めており、T4405が出された段階ですでに本復旧に向けた作業に取り掛かっていたことが、明らかにされている。

しかしながら、混乱は長期化し、Tanukipedia、ウソペディア、バカペディア、metaなどでは、一部権限の手動復旧作業が行われることとなったほか、TestWikiでも同じ問題が発生していることがSA 13 Broによって、問題発生から12時間以上経過している翌24日の午前0時32分に、metaのスチュワードたちに報告されている[4]。特にTanukipediaでの復旧状況については、後述する。

本復旧作業は午前2時41分に完了し、午前3時7分に、T4405にてPaladoxが復旧成功の旨を報告したことで、名実ともに事件は収束した。

なお、この事件について、Miraheze運営側の公式報告では、問題は人的エラーであり、UIを通じて作業していれば防げたものだった、とされている。

Tanukipediaにおいて

そもそも架空世界創作者権限は、架空地図架空言語を始めとする架空世界作者向けのウィキであるTanukipediaにおいて、荒らし発生の抑止・架空世界作者の編集円滑化を両立する目的で導入されたものである。この権限が使えなくなったことで、一部のユーザーの架空地図関連の記事が編集できなくなるという問題が発生した。

また、Replace TextProtectSiteAuthorProtectNukeDPLなどの拡張機能が利用できなくなる不具合も発生した[5]

事件発生後

使用不能になった4つ拡張機能の内、Replace Text・ProtectSite・NukeDPLの3つは当日の20時30分頃までに復旧が行われた。架空世界創作者権限の復旧は、メドが立っていなかったが、5月24日の3:00頃(日本時間)に復旧しており[6]、遅くとも午後12時34分にTANUKIウソッターに報告した[7]時点には、Tanukipedia側でもこのことの確認が取れたことが明らかになっている。

この件を受けてか、遅くとも5月27日の時点で、MacFan4000はスタッフから外されている

なお、復旧後も「架空世界創作者」という文字化けしたユーザー権限グループ名が残存したままとなっていたが、2020年10月19日に削除された。

その他

事件の名称は、この事件が発生する直前に「想像地図・城栄」で描画が行われていた地点の架空地名(手島市)による[8]。Tanukipediaの管理人が便宜的につけた事件名だったが、結果的にはウソペディアでもこの名前で呼ばれることとなった。

脚注

  1. Tanukipediaによる被害報告はないものの、この時点ではTanukipediaも一切編集不能だった可能性が高い。
  2. このシュヴァルツによるレポートが、確認できる限りでは、日本語圏からの最初の報告である。日本語圏での発覚が遅れたのは、事件発生が日本時間の深夜だったためと推測される。
  3. ウソペディアのManageWiki記録によると、作業開始から7分後の午前9時42分に「初期化されているっぽい。-AF関連。」とのコメントが残されており、早い段階で開拓者が独自に仮復旧の起こした問題の本質を見抜いていたと推測される。
  4. 参照
  5. ただし、AuthorProtectに関しては、事件発生前から正常に利用できていなかった疑惑がある。
  6. phab:T4405
  7. 本来ウソペディア固有のサービスであるはずのウソッターが、いくつかの日本語ウィキによってmetaのcommunity noticeboardに代わる場として利用される背景には、ウソッターの投稿内容に関する規制が緩いことのほか、ウソペディアのビューロクラットである開拓者がCVTとしてのグローバルな役割も果たしていることが一因として考えられる。
  8. 想像地図研究所では、事件の名称を描画中の地点の架空地名からとることが通例化している。

関連項目

  • 槐事件 - Tanukipediaが影響を被った点で共通するが、こちらは故意の人的被害である点で、過失によっておこった手島事件とは異なる。
  • 薄田事件 - ほぼ同内容の事態が、1ヶ月後に発生した。
  • 佐田崎事件
  • 玖紗事件 - 2024年に発生した事件で、拡張機能の不具合が原因で一部の利用者が記事を編集できなくなったという点で共通する。
  • meta:Special:IncidentReports/15 - Mirahezeの公式レポート。英語。
  • phab:T4403 - MirahezeのPhabricatorにおける、事件の第一段階(権限全消失)の報告と解決の経緯。英語。
  • phab:T4404 - 同上。
  • phab:T4405 - 事件の第二段階(権限初期化)の報告と解決の経緯。英語。