Tanukipedia
Tanukipedia(タヌキペディア、別名 百科狸典)は、主に空想世界(架空世界)に関する事象・正史などを主題とするインターネット百科事典。
概要
Tanukipediaは、2009年12月4日にWikiaのサーバー上に設立された「たぬき Wiki」を引き継ぐ形で、2018年8月3日にMirahezeのサーバー上に移設された。
空想上の世界のことを書くウィキ形式の百科事典サイトであり、主に架空地図・架空言語・架空鉄道など、個人(自分自身)の創作する空想世界・架空創作物に関して書くことができるウィキサイトとなっている。もちろん、架空地図以外にも「小説に登場する架空世界」なども執筆可能である。ただし、架空創作物であれば無制限に何でも執筆可能というわけではなく、
を満たした記事でなければ執筆ができないという制限が存在する。
架空世界の事象・正史やそれに対する考察を主題とする百科事典であり場所であり、架空の事象といえども論理的整合性があることが求められる。アンサイクロペディアのように嘘を書く場ではないため、記述内容が相互に矛盾するような記事は歓迎されず、論理が通っていることが要求される。その意味では、ウィキペディアとアンサイクロペディアの「中間」に位置付けられるウィキであると表現できる。ただし、例えば「Wikipedia:珍項目」のように、「事象自体にユーモアが含まれる場合」であれば、ユーモアのある記事も歓迎される。一方で、アンサイクロペディアにあるように「ふざけた文体の文章」を書くことは歓迎されない傾向がある。このような記事は、旧たぬき Wiki時代の2015年頃以前は容認されていたが、近年はこのような記事を書くと修正を求められることが多く、徐々にこのような記事は減る傾向にある[注釈 1]。
記事の体裁はウィキペディアのようなものが好まれる。なお、架空世界を対象とするウィキであるため、文体として
- 外方記事:「○○は××という世界にある架空の□□である」のように、架空世界の外の立場(地球人の立場など)からの視点で表現する文体
- 内方記事:「○○は△△地方にある□□である」のように、架空世界の中の立場からの視点で表現する文体
の2種類を選ぶことができるが、国・地域・都市・駅などを記述した記事では基本的には内方記事が好まれる。一方で、作品そのものや、世界あるいは星自体を記述した記事は、外方記事となっていることも多い。
ただし、ウィキペディアとは異なり、執筆者自身の個人創作物に関して記述することや、独自研究を記述することも許容されている。その意味ではウィキペディアよりも寧ろエンペディアに近い面もある。
記事の傾向
現在は設立者の創作している架空世界である「想像地図・城栄」に関する内容が多くを占めており、特にその中でも駅の記事が最も多い割合を占める。しかしその一方で、2012年以降は他の架空世界作者の参加も見られるようになってきており、鉄道以外に言語の記事も増加傾向にある。
参加者が増加する傾向は2023年現在も続いているが、それでも1日あたりの編集回数が少ない(50回/日未満である)ため過疎ペディアに分類されている[1]。
かつては短い記事が多かったが、2018年以降は長い記事も増えている。2023年現在、長い記事ランキングの上位200位以内は、全て1万バイト以上の記事となっている。
2018年中頃から、「想像地図・城栄」、「日出国プロジェクト」、「アルカ (人工言語)」、「藤服本線」の4つの記事が、長い記事ランキングの上位4位を占めていた。この4つの記事は「4大記事」と呼ばれ、長期に亘って不動の地位を占めていた。しかし、2022年10月に執筆された「フーリカ語」の記事が「4大記事」の牙城を崩して2位に食い込んだ。それも、Tanukipediaに参加してから2ヶ月にも満たない新人の利用者がこのような偉業を成し遂げたことは、Tanukipediaの歴史を大きく変えた出来事として歴史に刻まれることとなった。こうした出来事は他の架空地図・言語作者の創作意欲にも刺激を与えることとなった。そして2023年3月14日には、また新たに参加した別の新人利用者が執筆した「ネサルゼルデ語」の記事が「想像地図・城栄」の記事を超えて1位に躍り出た。この結果は、2018年以前からの参加者の執筆意欲も刺激することとなり、加筆ラッシュが起こった。加筆という行為のみならず、創作全般に対する意欲を刺激したことは特筆されることであろう。この影響もあり、想像地図関連記事においても、駅の記事のみならず、鉄道事業者や路線の記事も相次いで執筆された。
なおその後、1位となった「ネサルゼルデ語」の記事は内容が多くなりすぎて読み込みや編集が重くなってしまうことが問題化し、記事が分割された。一方で「想像地図・城栄」の記事は加筆され続けて再び1位に返り咲いたが、2023年5月6日、新たに執筆された「王国マハヴォーエ」の記事が1位の座に輝いた。2023年10月16日時点では「王国マハヴォーエ」「フーリカ語」「スオリフィア教会」が上位3位を占める。この3つの記事は同じ利用者により執筆されたものである。
一方で「藤服本線」の記事は徐々に順位を落とし、2023年10月16日時点での順位は17位である。ちなみに、2023年10月16日時点において、鉄道路線の記事として最長の記事は「東陽本線」である。
管理者
2009年の設立以来、設立者が単独で管理者を務めてきたが、2023年に日出国プロジェクトの作者であるWikataが管理者に就任し、これによって初めて複数人となった。2024年にはフーリカ語作者の彩羽さいは、および生活情報基盤研究機構代表理事のMasora Minakamiが管理者に就任したことで4人体制になった。しかしその後、多忙を理由にWikataが退任したため、2024年時点で管理者は3名となっている。
旧サイトについて
Tanukipediaは、2009年12月4日にWikiaのサーバー上に設立された「たぬき Wiki」を引き継ぐ形で、2018年8月3日にMirahezeのサーバー上に移設されたものである。一方で「たぬき Wiki」の時代から、既にTanukipediaという呼ばれ方もしていた。そのため、
- 「たぬき Wiki」がWikiaからMirahezeに移転し、名称を「Tanukipedia」に変えたものであるという解釈
- 旧来の「たぬき Wiki」が廃止され、Mirahezeに新設された「Tanukipedia」がその記事内容を継承したとする解釈
の両派が存在する。本記事は2.を前提として記述しているが、他のWikiサイトにおける解説等においては、1.を前提として記述されているものもある。ただしこれは解釈の問題であるため、どちらも間違いであるとは言えない。
なお、当初から創設者は「Tanukipedia」という名称にすることを望んでいたが、Wikiaのシステム上の問題でサイト名を「○○ Wiki」にせざるを得なかったという事情により、旧サイトの名称は「たぬき Wiki」となっていた。
名称について
「Tanukipedia」という言い方以外に「百科狸典」(ひゃっかりてん)という別名がある。
英語での名称は同じくTanukipedia、中国語では狸基百科。
名前の由来は、日本では古くからタヌキはキツネと同じく化けるものだとされてきたが、このウィキも「空想の世界を今までより『リアル』な状態に『化かす』という目標」を持っていることから、日本語の「タヌキ」と英語の「Encyclopedia」(百科事典)を合わせたかばん語である。
利用者のことは狸用者(りようしゃ)と呼ばれる。
歴史
現在の「Tanukipedia」の歴史のみを記載する。旧サイトであるChabashira、Chabashiraウィキおよびたぬき Wikiの歴史については当該記事を参照。
- 2018年7月31日 - Mirahezeのサーバー上にウィキを設置。
- 2018年8月3日 - 「たぬき Wiki」から記事を移転し内容を継承。記事数5579。空想科学Wikiへ移動した43記事を削除。
- 2018年8月7日 - 記事数が5555まで回復。
- 2018年11月12日 - 総ページ数10000突破。記事数は5790。
- 2019年1月16日 - 記事数が6000に到達。
- 2019年6月6日 - 記事数が6500を突破。
- 2019年7月28日 - 記事数が6666を突破。
- 2019年9月7日 - 記事数が6789を突破。
- 2019年11月3日 - 記事数が7000を突破。
- 2020年1月3日 - 総ページ数12345突破。記事数は7178。
- 2020年3月31日 - 記事数が7500を突破。
- 2020年4月16日 - 総ページ数13000突破。記事数は7562。
- 2020年6月1日 - 記事数が7777を突破。
- 2020年7月6日 - 記事数が8000に到達。
- 2020年8月27日 - 編集回数が44444を突破。記事数は8214。
- 2020年10月19日 - 記事数が8500を突破。
- 2020年12月7日 - 総ページ数15000突破。記事数は8755。
- 2021年1月5日 - 記事数が8888を突破[注釈 2]。
- 2021年1月28日 - 記事数が9000を突破[注釈 3]。
- 2021年4月27日 - 総ページ数16000突破。記事数は9346。
- 2021年6月7日 - 記事数が9500を突破[注釈 4]。
- 2021年9月27日 - 記事数が10000を突破[注釈 5]。
- 2021年12月13日 - 編集回数が64000を突破。記事数は10381。
- 2022年5月9日 - 記事数が11000を突破[注釈 6]。
- 2022年6月2日 - 記事数が11111を突破[注釈 7]、総ページ数19000突破。
- 2022年8月24日 - 編集回数が70000を突破。記事数は11408。
- 2022年11月8日 - 総ページ数20000突破。
- 2023年2月21日 - 記事数が12000を突破[注釈 8]。
- 2023年3月2日 - 城栄国の駅記事の総数が7777を突破。
- 2023年4月13日 - Discordを開設。
- 2023年5月18日 - 記事数が12345を突破[注釈 9]。
- 2023年6月19日 - 記事数が12500を突破[注釈 10]。
- 2023年7月7日 - 編集回数が75000を突破。記事数は12597。
- 2023年9月16日 - 総ページ数22222突破[注釈 11]。
- 2023年9月22日 - 記事数が13000を突破[注釈 12]。
- 2023年10月1日 - 編集回数が77777を突破。記事数は13044[注釈 13]。
- 2023年10月31日 - 利用者:Wikataが、想像地図研究所通話会議での議決に伴い管理者に就任。これにより初めて複数人管理者態勢となる。
- 2024年1月12日 - 編集回数が80000を突破。記事数は13497[注釈 14]。
- 2024年1月15日 - 記事数が13500を突破[注釈 15]。
- 2024年2月15日 - 利用者数が1000を突破。
- 2024年4月15日 - 記事数が14000を突破[注釈 16]。
- 2024年6月5日 - 利用者:彩羽さいはおよび利用者:Masora Minakamiが、想像地図研究所通話会議での議決に伴い管理者に就任。これにより管理者が4人体制となる。
- 2024年6月25日 - 総ページ数25000突破[注釈 17]。
- 2024年9月13日 - 利用者:Wikataが多忙を理由に管理者を退任。れにより管理者が3人体制となる。
他のウィキサイトとの比較
概ね、以下のような図式が成り立つ。
内容\世界 | 現実世界 | 架空世界 | |
---|---|---|---|
映画等商用作品中の 架空世界 |
アマチュア作者による 架空世界 | ||
事実 | ウィキペディア[注釈 18] エンペディア |
Wookieepedia Memory Alpha ドラえもんWikia |
Tanukipedia[注釈 18] |
ジョーク | アンサイクロペディア | Undeerl |
注釈
- ↑ このような記事の一部は「歴史的文書」として保存されている。最近では「Tanukipedia:歴史的文書/沢尻駅 (生方府)」など。
- ↑ 8888本目の記事は「大亀駅」。
- ↑ 9000本目の記事は「三原ヶ浜駅」。
- ↑ 9500本目の記事は「皆島インターチェンジ」。
- ↑ 10000本目の記事は「辰真市駅」。
- ↑ 11000本目の記事は「双楓駅」。
- ↑ 11111本目の記事は「三冬月特需」。
- ↑ 12000本目の記事は「田猪助駅」。
- ↑ 12345本目の記事は「岸川インターチェンジ」。
- ↑ 12500本目の記事は「永見くじら鉄道線」。
- ↑ 22222本目のページは「小保方市」。
- ↑ 13000本目の記事は「板荷軽サービスエリア」。
- ↑ 77777回目の編集は「立仙駅」のこの編集。
- ↑ 80000回目の編集は「城栄旅客鉄道における最長片道切符の探索」のこの編集。
- ↑ 13500本目の記事は「篝火平駅」。
- ↑ 14000本目の記事は「国道363号 (城栄国)」。
- ↑ 25000本目のページは「Category:西下賀郡」。
- ↑ 18.0 18.1 実際にはウィキペディアもTanukipediaも、その事象自体にユーモアが含まれる場合はユーモアの含まれる記事も少なくない。
脚注
- ↑ Enpedia:過疎ペディアを参照。
関連項目
- Tanukipediaの前身にあたるウィキサイト
- Chabashira - 3代前のサイト
- Chabashiraウィキ - 2代前のサイト
- たぬき Wiki - 1代前のサイト