更紗語の被覆形と露出形
この記事では、架空地図作品である「想像地図・城栄」に関する話が記されています。この記事の内容は架空の世界内における事象であり、現実の地名・人物・団体等とは一切関係ありません。
なお、「想像地図・城栄」とは想像地図の人(TANUKI)氏により創作が行われている、架空の土地を想像して描いた地図およびその地図を作ることを趣旨とする創作活動のことです。詳細はここをご覧ください。
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更紗語には単独で現れる場合と複合語中で現れる場合とでは語形が異なる単語が存在し、これらをそれぞれ被覆形(ひふくけい)および露出形(ろしゅつけい)という。
概要
例えば更紗語で「右」を表す単語は /wo/ だが、「右手」のような複合語では /wato/ となる。このように、更紗語には単独で現れる場合と複合語中で現れる場合とで末尾音節の母音が交替する単語が存在する。
被覆形と露出形の母音交替は、以下の4つの類型に分類できる。
- 被覆形a・露出形o
- 被覆形i・露出形u
- 被覆形e・露出形u
- 被覆形a・露出形e
1番目の類型である「被覆形a・露出形o」が典型的であり、先述した /wo/ もその1つ。この類型では、2音節の単語の内のいくつかは、末尾音節の母音のみならず先頭音節の母音も交替し、開拗音 y の有無も変化することがある。一方でそのような場合でも合拗音 w は変化しない。
なお、一部の単語は、被覆形と露出形であったという意識が失われ、別の意味を表す単語として使われる。
例
被覆形a・露出形o
1音節または末尾音節の母音のみ変化するもの
- 田んぼ nwa/nwo
- 上 pwa/pwo
- 島 pya/pyo
- 右 wa/wo
- 手 ta/to
2音節かつ両方の音節の母音が変化するもの
- 高 tyama/tomo
- 広 syaka/soko
被覆形i・露出形u
- 青 saryi/saryu
- 奥 kemyi/kemyu
被覆形e・露出形o
- 木 kaxe/kaxu
- 雨 ne/nu
- 風 xitye/xityu
被覆形a・露出形e
- 海 a/e
起源
上代更紗語において二重母音が融合して単母音になったとき、語末ではその単母音が残存する一方で語中では二重母音の後ろ側の母音を落とすことで処理したからと考えられる[要検証]。ただし、この説では2音節かつ両方の音節の母音が変化するものが説明不可能である。