更紗語

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この記事では、架空地図作品である「想像地図・城栄」に関する話が記されています。この記事の内容は架空の世界内における事象であり、現実の地名・人物・団体等とは一切関係ありません

なお、「想像地図・城栄」とは想像地図の人(TANUKI)氏により創作が行われている、架空の土地を想像して描いた地図およびその地図を作ることを趣旨とする創作活動のことです。詳細はここをご覧ください。

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(人工言語としての)更紗語
創案者 想像地図研究所
創案時期 2014年-
話者数 不明
目的による分類
人工言語
表記体系 千織字更紗字
参考言語による分類 アプリオリ言語
言語コード
ISO 639-1 なし
ISO 639-3 art
  
(架空言語としての)更紗語
現地名 (未設定)
設定 城栄国の公用語
表記体系 千織字更紗字
民族 城栄人
話者数 約1億人
言語系統 更紗語族
標準語 南栄方言
架空世界における公的地位
公用語 城栄国

更紗語(さらさご)は、想像地図研究所によって創作が行われている架空言語の1つである。

背景となる世界観

想像地図・城栄」の舞台となっている城栄国は、地球上の国ではなく泉星という惑星にある国である。地球上でない異世界なら日本語が通じるのはおかしいはずだが、城栄国の地図は地名が日本語で書かれているという問題が指摘されていた。

そこで、「城栄国では本当は日本語とは異なる言語が話されているが、公開されている想像地図は日本語版であり、本来は更紗語名で呼ばれている地名を全て日本語に翻訳したものである」という解釈(更紗翻訳解釈)が設定として採用されることになった。その「本当は使われている日本語とは異なる言語」が更紗語である。

更紗語は日本語とは発音も単語も文法も文字も、すべてが根本的にまったく異なる言語である[注釈 1]。母音の種類も異なっており(詳細は後述)、日本語と全く異なる響きを持った言語である。また、アプリオリな架空言語であるため、現実の言語からの単語の流用は原則としてない(偶然の重複はある)。

表記体系としては、千織字(表意文字)と、それを崩して作られた更紗字(表音文字)の2種類の文字が使われているという設定であるが(詳細は後述)、Tanukipediaではその表記を入力できないため、本記事内ではラテン文字に転写した表記を用いる。ただし、ラテン文字はあくまでも「地球人にも発音が分かるための、音を表す記号」として使っているだけであり、更紗語の表記としてラテン文字が使われているという設定は存在しない[注釈 2]

名称について

更紗語は「城栄国で本当は使われている日本語とは異なる言語」であるが、少なくとも日本語の文脈においては、「城栄語」という呼び方はしない[注釈 3]。一方で、更紗語で更紗語のことは「○○○」[未設定]と呼び、これは日本語に直訳すると「城栄語」という意味である。

「Sarasa」という名称は城栄国内に複数箇所ある地名であり(これを日本語に意訳すると「豊かな原」「豊原」などといった意味になる)、それに「更紗語」という漢字が当てられている[注釈 4]

創作の流れ

千織語とは異なり現代語から作られる予定であるが、音韻史などはかなり綿密に組み立てた上で音韻設定や造語が行われる見込みである[注釈 5]

更紗翻訳解釈により、現在の日本語版の想像地図に書かれた地名は更紗語の地名を日本語に翻訳したものであると解釈されているが、この「元となった更紗語の地名」を再構するという方向で地名の翻訳作業が行われる。なお、全ての地名が意訳というではなく、音訳も含まれる。例えば「赤松」という地名は更紗語で赤い松を意味する地名を日本語に直訳したもの(意訳型)と解されているが、「日里屋」という地名は更紗語でヒリヤと発音する地名に日本語の地名らしくなるように漢字表記をあてたもの(音訳型)と解されている(詳細は更紗語翻訳地名の類型を参照)。音訳型と意訳型の比率は、9対1とされる。

音訳型の地名において、似たような地形に似たような音が含まれる例を見出せば地形から意味を特定できる。そのことから、一部の単語の造語はこの方法で行われている。それゆえ、更紗語の造語は謎解きという側面も持つことになるため[1]、「言語学オリンピック的である」と表現されることがある[2]

表記体系については、千織語の表記体系である千織字を輸入したという設定を持つため、そちらとも密接に関わる。

言語の製作がある程度まで進捗した段階で、想像地図の地図本体において表示言語を「日本語⇔更紗語」と切り替えができるようにする機能を搭載することが計画されている。また、将来的に出版が計画されている「全城栄道路地図帳」についても、日本語版と更紗語版の2種類を出版する計画がある。

言語の類型的概要

更紗語の音韻は、/N/ および /Q/ を除いて原則として母音で終わる開音節言語としての性格が強い。そして、二次調音(口蓋化・円唇化)の有無による音韻対立があることが大きな特徴として挙げられる。また、標準語(共通語)を含め多くの方言が拍(モーラ)を持つ。アクセントは高低アクセントである。

更紗語固有語は、原則として

  • R音が語頭に立たない
  • 濁音が語頭に立たない

という特徴がある[注釈 6]

語順はSOV型、形態は膠着語に分類される。名詞・動詞ともに複合語が多いことが特徴的。

名詞の格を示すためには、語順や語尾を変化させるのでなく、文法的な機能を示す機能語(助詞)を後ろに付け加えることが原則であるが、一部の名詞は複合語で前側要素になるときと後側要素になるときで母音が交替するほか、語頭の無声音対応する有声音に交替することがある。

人称代名詞は多様に存在し、例えば1人称代名詞は最もよく使われる「nwika」の他にも「nika」「pi」など多数ある。

動詞と助動詞は、原形(終止形)が必ず語尾が -e で終わり、形容詞は原形(終止形)が必ず語尾が -Vi (V は a, i, e, u のいずれかの母音) で終わる。動詞・助動詞・形容詞は名詞とは異なり、語尾を変化させることによって文法的な機能を表す。少数ながら不規則動詞がある。主語の人称によって語尾が変化することはないが、相などは語尾の変化で表される。

語彙は更紗語固有語のほか、千織系語彙、外来語、およびそれらの混ざった混種語に分けられる。千織系語彙は古代・中世の森国から渡来した語およびその派生語彙であり、現代更紗語の語彙の過半数を占める。千織系語彙や外来語は、語頭であってもR音や濁音が現れうる。

表記体系は、千織字と更紗字が主要な文字であり、これらの文字を組み合わせて表記する。

音韻

音節

「(子音)+(拗音)+母音」の開音節および「(子音)+(拗音)+母音+特殊子音」の2種類の音節で構成されるという極めて単純な構造をもつ(括弧内はゼロも可)。最も単純な形の音節は「母音のみ」(例えば /a/ )、最も複雑な形は「子音+拗音+母音+特殊子音」(例えば /myoN/ )である。

ただし、後述するが一部の母音は特定の条件下で弱化・脱落することがあるため、見かけ上はこれ以外の形状の音節も生じうる。

更紗語には拍(モーラ)という音節とは異なる概念があり、1音節ではなく1拍を等しい時間で発音する。

  • 1拍で発音
    • (子音)+(拗音)+短母音
  • 2拍で発音
    • (子音)+(拗音)+短母音+特殊子音
    • (子音)+(拗音)+長母音
    • (子音)+(拗音)+二重母音
  • 3拍で発音
    • (子音)+(拗音)+長母音+特殊子音
    • (子音)+(拗音)+二重母音+特殊子音

アクセント

高低アクセントである。

共通語や南栄方言を初めとして、更紗語の多くの方言のアクセントは「昇り核型」と呼ばれる形式になっている。日本語共通語では核があるところの次の音(アクセントの滝)で低くなる「下げ核型」だが、更紗語共通語はその逆で、核があるところで高くなるのである。この影響により、アクセントの位置のみで区別できる単語の組合せは、日本語よりも少なくなる[要検証]

母音

更紗語の母音三角形

母音は a, i, e, u, o の5種類あり、いずれも長短の区別がある。短母音は1モーラで、長母音は2モーラで発音する。

前舌 中舌 後舌
/i/ [i] /u/ [u]
中央 /e/ [ə] /o/ [o]
/a/ [a]

/e/日本語の「え」の音とは随分と音色が異なっており[注釈 7]、どちらかと言えば中国語のピンインの e に近い。また、/u/ は日本語共通語にみられる [ɯ] ではなく、口をすぼませる [u] の音である。 /e//u/ がエとウになってしまわないように注意する必要がある。

母音 e, i, u は無声化が起こる場合があり、無声子音に挟まれた場合や語末で弱化・脱落することがある。

子音

破裂音 破擦音 摩擦音 鼻音 接近音 流音
無声 有声 無声 有声 無声 有声
両唇音 /p/ [p] /b/ [b] (/f/ [ɸ]) /m/ [m]
歯茎音 /t/ [t] /d/ [d] /s/ [s] /z/ [z] /n/ [n] /r/ [r]
後部歯茎音 /c/ [tɕ] (/j/ [dʑ]) /x/ [ɕ] /j/ [ʑ]


軟口蓋音 /k/ [k] /g/ [ɡ] /w/ [w]
硬口蓋音 (/h/ [ç]) /y/ [j]
声門音 /h/ [h]

この他に、特殊子音の2種

  • /N/ 後続する子音と同じ調音位置の鼻音、または [n]
  • /Q/ 後続する子音と同じ子音、または声門閉鎖音 [ʔ]

が音素として存在し、1モーラを形成する。なお /N//Q/ は、共通語では語頭には表れない。

丸括弧内は異音であり、出現位置によって以下のような音になる。

  • /h/
    • 直後に母音iまたは[要検証]拗音yが現れる場合 [ç]
    • 直後に母音uまたは[要検証]拗音wが現れる場合 [ɸ]
    • 上記以外 [h]
  • /j/
    • 語頭 [dʑ]
    • 語中・語尾 [ʑ]

/yi/ [ji] という音節は存在し、/i/ [i] とは区別される。一方で /wu/ [wu] という音節は存在しない。

拗音

  • /y/ [j]
  • /w/ [w]

による2種類の拗音(二次調音)、すなわち口蓋化と円唇化の有無による音韻対立がある。

/y/ の直後には5母音全てが現れうる。 /w/ の直後にuを除く4母音が現れうる。ただし、 /x/, /j/, /c/ は口蓋化と円唇化の有無による音韻対立がない。

従って、例えば /ma/ [ma]/mya/ [mʲa]/mwa/ [mʷa] は、別の音韻として認識される[注釈 8][注釈 9]

日本語(共通語)の拗音は /y/ の1種類のみで、直後に現れうる母音は /a/ /u/ /o/ の3種類に限られる。一方、更紗語では拗音が /y//w/ の2種類あり、拗音の直後に(wuとなる組合せを除いて)5母音全てが現れうる。 /me/ [mə]/mye/ [mʲə] が対立することはもちろんだが、 /mi/ [mi]/myi/ [mʲi] も別の音と認識される(無論、/mwi/ [mʷi] も別の音と認識される)。

古代から現代への発音の変化

現代更紗語の母音は /a/[a], /i/[i], /e/[ə], /u/[u], /o/[o] の5種類であるが、古代においては母音の数は5種類ではなく、6種類であった期間が長かったと考えられている[3]

前期更紗祖語

短母音は *a, *i, *ə, *u の4種類があり、二重母音は少なくとも *ai, *au が存在したと考えられる。

中期更紗祖語

2種類の二重母音が融合し、短母音は *a, *i, *ə, *u, *o, *e の6種類となった。

後期更紗祖語

短母音の *o, *e が特定条件下で高舌化(MVR)し、それぞれ *u, *i になったが、一部の単語では残存したため短母音は *a, *i, *ə, *u, *o, *e の6種類のまま変わらなかった。一方、母音間に挟まれた特定の子音が特定の条件下で脱落し、 *ai, *ia, *au, *ua, *iu, *eu, *oi, *ui など多様な二重母音が生じた。

前期上代更紗語

二重母音が、以下の表に示したように変化した。

変化前 変化後
語中 語末
*ai *a *e
*ia *e
*au *a *o (*ɔ)[注釈 10]
*ua *ʷo
*iu *i *ʲu (*y)[注釈 11]
*əu *u

前述の二重母音の変化は、上昇二重母音の場合、語中と語末で同じ変化だった。しかし、下降二重母音の場合、語中では後側の母音が脱落し、語末では融合するというというように、置かれた環境によって異なる変化を起こした。そのため、語末に下降二重母音を持っていた形態素が、複合語の語中や語頭にある場合と語末にある場合とで語形が異なるという単語が生じるきっかけとなった。これが更紗語の被覆形と露出形の起源であると考えられている。

二重母音の融合によって、更紗語に初めて「拗音」が生じたと考えられる。一方で融合の結果によって短母音が *a, *i, *ə, *u, *o, *e, *ɔ, *y の8種類となったという説もあるが、後の時代の音韻変化と符合しない。そのため融合後も母音の総数は6のままで変わらなかったと考えられる。

また、同時期に /dy/ [dʲ]/dj/ [dʒ] が合流したと考えられる。

後期上代更紗語

以下に示す子音の組合せが合流した。

  • /sy/ [sʲ]/x/ [ɕ]
  • /zy/ [zʲ]/j/ [ʒ]/dy/ [dʲ]
  • /ty/ [tʲ]/c/ [tɕ]
  • /hw/ [hʷ]/f/ [ɸ] (および /hu/ [hu]/fu/ [ɸu]

これらは後期上代まではかき分けが行われていたが、後の時代では混同されるようになった。

前期中世更紗語

以下の表のように母音が合流し、短母音として区別されるのは現在の5母音(a, i, ə, u, o)となった。この変化によって、日本語のエにあたる音が失われてəに統合した

二重母音の融合も発生し、この頃から母音の長短を区別するようになってきたと考えられる。

変化前 変化後
短母音 *a a
*i i
ə
*e
*u u
*o o
二重母音 *oi ʷəː
*ui ʷiː

後期中世更紗語

母音の間に挟まれた *g および *h が脱落し、二重母音や長母音が大量に生じた。ただしこの変化は、千織語由来の単語であって千織字毎に区切って読むことが規範とされている語では起こりにくかったとされる[要詳細再考察]。一方で、母音 u の直前の場合と、 *gʲ, *gʷ, *hʲ, *hʷ のように二次調音を伴っている場合は、母音の間に挟まれていても脱落せず残存した。

近世更紗語

円唇化した軟口蓋音である ɡʷ 、および母音 u の直前にある kɡ が、唇音の影響で調音点が唇に移動することにより、それぞれ 、および pb となった[注釈 12]。ただし、この変化は /N//Q/ の直前では抑制された[要詳細再考察]

文字

千織語の表記に使われる千織字(表意文字)と、それを崩して作られた更紗字(表音文字)の2種類の文字が使われる。

千織語と更紗語は全く異なる起源を持つ言語であり、千織字は字音を表すのみならず更紗語固有語の読み方を表す「訓読み」も行われている。更紗語固有語では1つの概念だったものも、千織字の書き分けで区別される事例がある。こういった歴史的経緯から、千織語において表語文字的に使われる千織字は、更紗語では表意文字としての性質が強いものとなっている。

なお、Tanukipediaでは千織字や更紗字を入力できないため、本記事内ではラテン文字に転写した表記を用いているが、ラテン文字はあくまでも「地球人にも発音が分かるための、音を表す記号」として使っているだけであり、更紗語の表記としてラテン文字が使われているという設定は存在しないことに留意する必要がある。

文法

  • 語順は SOV 型。
  • 形容詞・属格などの修飾語句は前置する AN・GN 型。
  • 膠着語で、格助詞を後置することによって名詞の格を表す。しかし一部の名詞は複合語で前側要素になるときと後側要素になるときで母音が交替するほか、語頭の無声音対応する有声音に交替することがある。
  • 文の種類は、大雑把に言えば名詞文・動詞文・形容詞文に分類できる。
  • 動詞と助動詞は、原形(終止形)が必ず語尾が -e で終わり、形容詞は原形(終止形)が必ず語尾が -Vi (V は a, i, e, u のいずれかの母音) で終わる。動詞・助動詞・形容詞は名詞とは異なり、語尾を変化させることによって文法的な機能を表す。主語の人称によって語尾が変化することはないが、相などは語尾の変化で表される。
  • 動詞を繰り返し表現することで主語が複数であること表すことができる。数を表すことは義務的でない。
  • 形容詞には語幹用法があり、複合語の形態素になる。

名詞文

名詞文は「…は~である」という文である。

  • Nwika-pu Kyinwo bose.
訳「私は山田です。」

動詞文

動詞文は「…は~する」という文である。

  • kaxu-ju iyare.
訳「木が生える。」

形容詞文

形容詞文は「…は~い」という文である。

動詞の活用

動詞の活用は、以下の類型がある。

  • 子音語幹(五段活用)
    • 通常子音語幹
    • 口蓋化子音語幹
    • 円唇化子音語幹
  • 母音語幹(一段活用)
    • 頂一段(a幹)
    • 底一段(o幹)
  • 不規則(変格活用)

このうち、語幹末の音が口蓋化または円唇化している動詞(口蓋化子音語幹・円唇化子音語幹、およびCy行・Cw行の頂一段・底一段)は、拗音活用動詞と分類される場合がある。すなわち、日本語にはない「ニャ行五段活用」というものが更紗語には存在する。

なお、子音語幹動詞が五段活用となっているのは更紗語も母音が5個だからと考えられている。

活用形の名称

日本語と同じ名前の活用形もあるが、異なる名前のものもある。

更紗語動詞の活用形
活用形名 意味と機能
未然形 否定の助動詞 (i)mai を接続することで「~しない」の意味を表す。
連用形 丁寧の助動詞 (a)se を接続することで「~します」の意味を表す。
名詞や他の動詞を接続することで複合語を作る。
原形 語尾が変化していない基本の形。「~する」の意味を表す。
仮定形 仮定の助詞 (u)ji を接続することで「~すれば」の意味を表す。
後に何も接続しなければ命令形「~しろ」の意味を表す。
勧誘形 勧誘の助詞 o を接続することで「~しよう」の意味を表す。

通常子音語幹

原形の語尾が -Ce (Cはw,y以外の任意の子音、または∅)で、-C の後ろ側が変化する。

nate(住む)の活用
活用形名 活用形 意味
未然形 nat-i(mai) 住まない
連用形 nat-a(se) 住みます
原形 nat-(e) 住む
仮定形 nat-u(ji) 住めば
勧誘形 nat-o 住もう

口蓋化子音語幹

原形の語尾が -ye で、-y の後ろ側が変化する。

agye(あふれる)の活用
活用形名 活用形 意味
未然形 agy-i(mai) あふれない
連用形 agy-a(se) あふれます
原形 agy-(e) あふれる
仮定形 agy-u(ji) あふれれば
勧誘形 agy-o あふれよう

円唇化子音語幹

原形の語尾が -we で、-w の後ろ側が変化する。

fuwe(超える)の活用
活用形名 活用形 意味
未然形 fuw-i(mai) 超えない
連用形 fuw-a(se) 超えます
原形 fuw-(e) 超える
仮定形 fu-u(ji)[要検証] 超えれば
勧誘形 fuw-o 超えよう

頂一段(a幹)

原形の語尾が -are で、-a の後ろ側が変化する。

iyare(生える)の活用
活用形名 活用形 意味
未然形 iya-(mai) 生えない
連用形 iya-(se) 生えます
原形 iya-r(e) 生える
仮定形 iya-r(uji) 生えれば
勧誘形 iya-wo 生えよう

底一段(o幹)

原形の語尾が -ore で、-o の後ろ側が変化する。

pore(肥える)の活用
活用形名 活用形 意味
未然形 po-(mai) 肥えない
連用形 po-(se) 肥えます
原形 po-r(e) 肥える
仮定形 po-r(uji) 肥えれば
勧誘形 po-wo 肥えよう

不規則

他の動詞とは異なり全く異なった変化をする。

fure(する)の活用
活用形名 活用形 意味
未然形 fa-(mai) しない
連用形 fa-(se) します
原形 fu-r(e) する
仮定形 fu-r(uji) すれば
勧誘形 fa-wo しよう

過去形の表現

過去形は過去を表す語尾「-sa」によって表される。この語尾は、

  • 語幹末の子音が摩擦音の場合、子音を外して -sa をつける(例:原形 as-e・語幹 as- → sを削除して a-sa とする)
  • 語幹末の子音が閉鎖音の場合、
    • 口蓋音ないし口蓋化音の場合、iを挿入して -sa をつける(例:原形 ak-e・語幹 ak- → iを挿入して ak-i-sa とする)
    • 両唇音ないし円唇化音の場合、uを挿入して -sa をつける(例:原形 ap-e・語幹 ap- → uを挿入して ap-u-sa とする)
    • 歯茎音の場合、 -sa の s が脱落する(例:原形 at-e・語幹 at- → ata とする)
  • 語幹末が母音(頂一段および底一段)の場合、そのまま -sa をつける

従って、過去を表す語尾「-sa」は、

  • 語幹の子音が閉鎖音の場合
    • 両唇音の通常子音語幹、ないし円唇化子音語幹では、仮定形に接続
    • 口蓋音の通常子音語幹、ないし口蓋化子音語幹では、未然形に接続
  • それ以外は、連用形に接続

と言い換えることができる。

形容詞の活用[未設定]

形容詞の活用は、未設定事項が多いため検証が必要。

as(??)の活用
活用形名 活用形 意味
否定 as-i(mai) ~でない
連体 as-o ~な
終止 [未設定] ~だ
仮定形 [未設定] ~ならば

方言

北方方言・中北部方言・東部方言・中南部方言・首都圏方言・南東部方言・南西部方言などに大別される方言連続体をなしている。標準語は首都圏方言の一種である南栄方言

南西部の方言については貫州の方言との差異が大きいため、別の言語として扱う場合もある。

主な語彙

意味 語彙 形態素として含む地名
意訳地名 音訳地名
大きい ana anaiya(大生 anamwi(穴見
kyi kyimwi(山崎 kyinwa(絹和
mwa mwasa(川原 hwasemwa(蓮間
a(被覆形)
e(露出形)
ahyatu(海野 ado(阿土
xi[注釈 13] mwaji(川口
※連濁
 
aa aatasi(赤松  
植物 iya anaiya(大生) hwiriiya(日里屋
pya[注釈 14] hwokiribya(岡葉
※連濁
 
高い tyama(被覆形)
tomo(露出形)
tomojohwa(たけべ  
swa swanwo(道田  

創作・作業の沿革

2014年3月31日、「想像地図・城栄」の言語に関する設定における「ご都合主義的」な部分をなくすという構想である「想像地図第五期構想」が浮上し、中国語風と日本語風の2種類の架空言語を創作する構想が持ち上がった[4]。中国語風の架空言語については2014年8月17日に創作が開始されたが、日本語風の架空言語は(音韻を除いて)未着手であった。

2014年10月20日、中国語風と日本語風の2種類の架空言語はそれぞれ千織語および更紗語と命名された。

千織語は2014年の製作開始から何度かの休止期間を経て活発に創作が続けられる一方、更紗語は構想止まりであった。これは、現実の日本語が中国語から文字や語彙を取り入れたことと同様に、更紗語も千織語から文字や語彙を取り入れることで作られるからで、そのため、更紗語の実際の製作は、千織語が完成に近づいてから行われることとなっていた。しかし、2015年8月23日高樹の決断により千織語製作の一時凍結が宣言されたことによって、「千織語の完成を前提とする更紗語」も当然ながら製作停止となった。

ところが、2019年5月、千織語製作を再開するための道が開ける可能性が示され、更紗語についても政策が始まる機運が高まった。そして2019年11月24日の架空言語・架空地図学会の後に行われた会議により、想像地図研究所に新規メンバーが加入することにより、更紗語製作を行うことが再計画され、更紗語製作は再開された。

2020年6月にはMirahezeに更紗語辞典が開設された。2021年1月にはZpDIC更紗語辞書(仮)が設置された。2021年4月現在では、ZpDIC版の更紗語辞書の方が単語集録数は多い。

注釈

  1. 更紗語は「聞き取りにくい日本語の方言」ではなく、根本的に全く異なる言語である。
  2. 想界にはラテン文字も存在しない。
  3. 日本語の文脈内で「城栄語」という呼び方をしてしまうと更紗翻訳解釈採用前の言語設定と紛らわしいためそのような呼び方はしないことが原則である。
  4. 漢字表記は音訳である。
  5. 更紗祖語(仮称)の内的再構が可能であることが望ましいとされている。
  6. 固有語であっても、一部例外的にR音や濁音が語頭に現れる単語が存在するが、そのような単語は少ない。一方で、借用語にはR音や濁音が語頭に現れうる。
  7. 日本語の「え」の音は前舌中央母音だが、更紗語の /e/中舌中央母音である。
  8. 日本語は口蓋化の有無( /ma/ [ma]/mya/ [mʲa] )による二項対立のみだが、更紗語は /ma/ [ma]/mya/ [mʲa]/mwa/ [mʷa] の三項対立である。m以外の子音に対しても同様に三項対立となるが、例外的に「/kw/ + 母音」は、元は「[kʷ] + 母音」と発音していたが音韻の変化により現在は「[pʷ] + 母音」となっている。
  9. これは実在の言語でいえば韓国語やビルマ語でみられる。
  10. は8母音説による再構
  11. *yは8母音説による再構
  12. 同様の変化は、実在の言語ではラテン語からルーマニア語にいたる音韻変化や、日本語鹿児島県枕崎方言などでも見られる。
  13. 連濁の場合はjiとなる
  14. 連濁の場合はbyaとなる

脚注

関連項目

外部リンク