想像地図第五期構想

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想像地図第五期構想(そうぞうちずだいごきこうそう)は、架空地図作品「想像地図・城栄」の世界観を再設定し、言語に関する設定における「ご都合主義的」な部分をなくす構想の名称。

動機

想像地図世界(想界)は、地球ではなく泉星という惑星である。地球上ではない異世界であるなら、日本語や英語が通じるのはおかしく、ご都合主義的である。そこで、言語自体も架空言語をゼロから創り上げることによって、言語に関するご都合主義的な部分をなくすという構想が持ち上がった。

概略

製作開始に至るまで

この構想の原案は、「地球上でない異世界なら、日本語が通じるのはおかしい」という意見[1]をきっかけに作られた。

日本風の架空言語を創るにあたっては、漢字に相当する文字体系と仮名に相当する文字体系の両方が必要となる。そして日本語において漢字は中国語から導入されたものであり、仮名はそれを簡略したものが起源である。そこで、まず初めに中国語のような言語を創り、その次の段階で日本語のような言語を創ることになった。

製作開始

2014年8月17日、「異世界の漢字の創作の試み」として、試験的に文字の作成が行われた。いくつかの単語が造語されたのち、10月20日にこの中国語風の言語は「千織語」と名付けられた。フォント製作にも着手し、2015年中頃まで積極的に造語が続けられた。また、日本語風の言語は「更紗語」と名付けられ、千織語の製作がある程度まで進んだ段階で着手する計画となった。そして想像地図の地名は千織語の文字を使って表記し、それに後から作った更紗語の「訓読み」を当てることにより、最終的に想像地図の地名を架空言語にすることが最終目標となった。

問題の発生と計画の中断

ところが、想像地図の描画と並行して千織語の制作を続けることは様々な歪みを生み出し、そのことが原因の全てではないものの、2015年8月23日に発生した、他の人工言語(凪霧)作者との確執[2]の発生をきっかけに千織語の製作は停止され(高樹の決断)、それ以降は長期にわたって第五期構想は停止状態となった。

その後、2016年12月16日、想像地図に「城栄国では本当は日本語とは異なる言語が話されているが、想像地図はそれを日本語に翻訳したものである」という解釈(更紗翻訳解釈)が公式設定として取り入れられた(たけべ宣言)。これは架空言語制作計画を完全廃止することを意図したものではなかったが、架空言語を創らずとも言語に関するご都合主義的な部分をなくすことができるという点では、事実上の計画頓挫として受け取られてしまった。

その後は想像地図本体の制作が、首都圏など作業に時間のかかる領域に入ったことや、2018年3月に実施された想像地図研究所の本部移転などがあったことで、第五期構想は優先順位の低い項目とされてしまい、「単独では維持することが困難な部門」[3]となってしまった。

計画の再開

しかし、2019年5月、想像地図研究所に新メンバーの加入が計画され、千織語の制作再開の検討が始まった。8月5日に正式に新メンバーが千織語担当者となったことに伴い、千織語の制作再開宣言が行われ、第五期構想は再始動することとなった。

また、同年11月24日に開催された第3回架空言語・架空地図学会において、更紗語担当者、および英語風の言語の担当者、更に翌年7月31日にヘツクース語担当者も加入し、が本格的に第五期構想が実行に移されることとなった。また、千織語・更紗語・ヘツクース語・英語風の言語の他に、韓国語風の言語を製作することが構想された(詳細は想像地図架空言語を参照)。

想像地図の第五期突入宣言

2020年11月14日、韓国語風の言語の担当者の加入と同時に、この日をもって想像地図は第五期に入ったという宣言が行われた。

構想による世界観の変化

2016年末に採択された更紗翻訳解釈(城栄国では本当は日本語とは異なる言語が話されているが、想像地図はそれを日本語に翻訳したものであるという解釈)自体は、第五期構想においても前提条件となる。それゆえ、現在の想像地図における日本語表記の地名は、本来は更紗語(ないしヘツクース語)で名付けられた地名の「日本語名」と解釈されることになる。

架空言語が完成しても、「日本語訳版」たる現在の想像地図はそのまま保持されることになっており、地図上で言語表示を日本語・更紗語(ないしヘツクース語)で相互に切り替えができるシステムの搭載が計画されている。

単独製作から共同製作への変化

新メンバーの加入は、単に架空言語の創作の進捗が生み出されたこと以上の変化を想像地図研究所にもたらした。それは、それまでSirnoka(想像地図の人)単独製作だった想像地図が、共同製作になったことである。もっとも、それまでの時点で想像地図研究所の構成員は既に複数名であったが、担当分野が大きく異なっており、想像地図そのものは実質的に単独製作だったが、言語担当者の加入は想像地図そのものを共同製作の作品へと変化させた。

共同製作においては先行事例の悠里と似た方式で行われることとなった。千織語と更紗語が別々の人によって製作されることになったため、従来考えられていた「先に千織語、後で更紗語」というスキームではなく、千織語と更紗語を平等に進める方式になったのである。

なお、単独製作時代は第五期構想の完全実現目標年を2060年としていたが、現在は特に目標年は設定されていない。ただし、共同製作になったことで、実現が早くなる可能性は高いであろう。

沿革

千織語更紗語ヘツクース語も参照

  • 2014年3月31日 - 長期的な将来構想として想像地図第五期構想の試案が作られる。
  • 2014年8月17日 - 「異世界の漢字の創作の試み」として構想が持ち上がり、試験的に文字の作成が行われる。
  • 2014年10月3日 - 試験的に一部の数詞の造語が行われる。
  • 2014年10月20日 - 漢文に相当する言語の名称として「千織語」という名称が挙がる。
  • 2014年12月7日 - 単語数が65を突破し、千織語フォントの製作が開始される。
  • 2015年8月23日 - 構想実現のための活動を一時停止することが発表される(高樹の決断)。
  • 2019年5月20日 - 千織語の制作再開の検討開始。
  • 2019年8月5日 - 千織語担当者加入に伴い構想を再始動。
  • 2019年11月24日 - 更紗語担当者・英語風言語担当者加入。
  • 2020年6月18日 - Tanukipediaにおいて架空言語のフォントを表示できるようにする機能を搭載。
  • 2020年6月20日 - Mirahezeに更紗語辞典を開設。
  • 2020年7月31日 - ヘツクース語担当者加入。
  • 2020年11月14日 - 想像地図の第五期突入宣言

脚注

  1. 代表的なものは2014年3月31日に寄せられたものが挙げられる。
  2. 想凪戦争
  3. JR北海道の「当社単独では維持することが困難な線区」という表現を踏まえたもの。

関連項目

外部リンク